DEIM2016に行ってきた

DEIM2016 に行ってきたので、そのメモ。

D1-2 Shuntaro NAKANO: Search for Similar Marks for Detecting Trademark Infringement and Dilution

  • 商標
  • どちらもまずいので「同一の範囲」と「類似の範囲」が法的に定められている
  • 既存商標に対する類似商標を自動生成し,検索により発見したい

処理

  • 入力: (商標, 称呼, 商品役務) (e.g. (メガネの愛眼, メガネノアイガン, 眼鏡))
  • 候補生成処理:
    • 称呼類似
      • 既存商標の称呼から n-gram コーパスを生成して利用
      • e.g. メガネの愛眼 -> メガネのアイキャン
    • 外観類似
      • 画像的な類似性,今回は文字の形状を対象としHOG特徴量を利用)
      • e.g. メガネの愛眼 -> シガネの愛眼
    • 観念類似
      • 「意味類似度 (Word2Vec 多義性拡張)」と「観念醸成度 (WordNet 類義語)」により 単語間の観念類似度を用いる
  • 検索処理:
    • 聴き逃し

実験

  • 入力: メガネの愛眼
  • 出力例:
    • 眼鏡屋 (「眼鏡のアイ」とか)
    • その他 (eyeone (車屋))

感想

  • プレゼンがたいへんうまかった
  • word2vec と wordnet を組み合わせて「観念類似度」をつくる、というアイディアはよいと思う。実験結果がいまいち手法を活かしきれていない感じではあったが……

H2-2 - H2-4: 横浜国立大学 *3

  • EV (電気自動車) 関連の研究室による発表3件。
  • 道路を区分してそれぞれのエネルギー損失や走行時間を可視化したり、とか
  • EV のバッテリを用いて電力消費量のピークカット、とか
  • それぞれがどこかで聞いたような話ではあったものの、きちんとモデル化されてまとまっており、プレゼンも結構練習されているようだった

H4-2: 岡村 健太: 無線LANアクセスポイントを用いた店舗待ち時間予測

  • スマートフォンWi-Fi AP を探すときに出すプローブ要求を使って,店舗の待ち時間を予測する
  • OMNet++ を使ってシミュレーション

感想

  • 「シミュレーションではうまくいく」という話で、実現したら大変便利だと思うので、ぜひ実際に動かしてほしい

芝野 耕司: 日本データベース学会功労賞記念講演: SQL言語の開発と日本の貢献

  • 2日目午後は太宰府に行っており、この講演も聞いていないが、講演資料 が公開されており、これだけでもなかなか興味深い

H7-6: 小矢島 諒: ドライブレコーダデータと道路特徴を併用した潜在リスク箇所の判別に向けて

  • ドライブレコーダの車両軌跡・運転操作データと、道路の特徴 (坂道やガードレールの有無など) を利用して事故の危険性の高い箇所を特定
  • まあよくある話だけど、「ドライブレコーダと道路双方のデータを組み合わせて、 既存研究より精緻に判定したい」というもの

感想

  • こういうのはよくある話だけど、全国どこでも使えるようになったら大変よいし, 国の事業としてやってもらえないかなー
  • 質疑でつっこまれていたが、 「実際には事故が起きていないにも関わらず高リスクと判定された箇所」は、 本当に高リスクなのか誤判定なのか区別することは難しいだろうと思う。 とくに今回はデータが少ないということなので、大量のデータで交差検定すべきだろう。

H8-5: 横山 大作: 事故防止に向けたドライブレコーダデータからの運転挙動分析

  • ドライブレコーダデータから事故の危険性を評価したい
  • 安全運転者と事故者を比較すると、とくに中速域でのブレーキ時減速度が少し大きめになる
  • 運転挙動データ、道路データを使うことで、最大 F 値 >0.8 くらいで判定できる
  • (質疑) 保険屋さんがこういうのやってるけど、それとの関連とかは?
    • (回答) 保険屋さんのはもっと粗いデータ

感想

  • これを実用化した「安全運転度判定アプリ」みたいなものが使えたらよいと思う

全体的な感想など

  • 今回は交通系など、IoT 寄りの話を多めに見て回った。上記には書かなかったが、交通系データでテンソル分解がよく出てくるなど、なんとなく流行りの話が見えた……ような気がする。
  • 体調不良のため会場外での宿泊となり、インタラクティブセッションとBoFセッションに参加できず大変残念だった。またスケジュール確認ミスにより、興味のあった発表数件を見逃したのも痛かった。