OSC 2015 Tokyo/Fall 1日目に参加してきた

OSC 2015 Tokyo/Fall の1日目に参加してきたので、そのメモ。

IoTのセンサーノード側の主役に躍り出たESP8266、その実力と応用事例を徹底解説 - 今岡 通博

内容

感想

  • 500円程度で合法に Wi-Fi が使えるモジュールというのは大変よい
    • Arduino YUN が1万円くらいするので、Arduino UNO とかと組み合わせても半額以下で Wi-Fi 対応 Arduino が手に入ることになる
  • ファームウェアを入れ替えなければ AT コマンドで制御するということで、Arduino とかから複雑な制御をするのは面倒くさそう。Lチカ程度の簡単な制御ならとっても簡単っぽい (詳しくは「次回記事」というのを参照?)
  • CPU に Tensilica のものを使っているということで、これはこれで Transmeta のコードモーフィングみたいでおもしろい。

AllJoyn フレームワークを使ったInternet of Everything (IoE) の開発 - 内田 信行

内容

AllJoyn とは
  • AllJoyn: IoE (Internet of Everything) 向けの、複数のデバイスやアプリが繋がるためのフレームワーク

    • コアライブラリ (デバイス共通の機能)
    • サービスフレームワーク (デバイスの用途ごと)
  • AllSeen: AllJoyn を監督する組織; Linux Foundation が設立

  • 発想

    • 既存の IoE: ベンダごと、機器ごとに個別のクラウド、個別の通信規格に fragmentation している
    • AllJoyn が目指す IoE: ベンダによらず、すべての機器同士が直接通信する
AllJoyn の特徴
  • セッション層以上のみを規定
  • OSS のコアライブラリ、サービスフレームワークを利用できる
  • 各機器はサポートする機能を表現でき、他の機器から利用できる
    • 機器外部のルールエンジンから、機器同士を協調させられる (Events and Actions API)
  • Headless な機器の初期設定もサポート (Onboarding サービス)
  • 2種類の開発ターゲット
  • ゲートウェイ (家庭内 <--> Cloud / Internet)
  • デバイス・システム・ブリッジ (DSB)
    • AllJoyn 以外の規格との相互接続性を確保するやつ
    • 現状ではおおむね Microsoft が作っていて、Z-Wave, BACnet との接続プラグインがある
対応機器
  • 発売されはじめている
  • e.g. TV, Windows 10 (全 edition), スピーカー、照明、…
    • 家電系はまだ少ない
    • 現時点での対応デバイス数: 1億2千万くらい (ほとんどが Windows 10)
使ってみよう
  • いろいろな環境で動く
  • いちばん簡単な開発環境

感想

  • IoT 関連の規格の乱立っぷりは、まさに xkcd: Standards な感じであまり好ましく思っていない (各規格が好き or 嫌い、という話ではない)。
  • 自分がある程度使ったことがある ECHONET Lite と比べ、AllJoyn は全体的に優れているように感じた。
    • たとえば Events and Actions API は大変よいと思う。ECHONET はアプリケーションやサービスに関しては「勝手にやれ」的な規格になっていて、それに比べ AllJoyn はサービスについても面倒を見てくれるフレームワークになっている。
    • また開発者のサポートについても、AllJoyn はコアライブラリやフレームワークOSS として公開されており、「自分で実装するか開発キットを買え」という ECHONET よりも優っている。
    • 他規格との相互接続性についても、 AllJoyn は Device System Bridge 経由で、プラグインを用意すれば任意の規格と接続できる (現状だと Z-Wave, BACnet のプラグインがある) のに対し、 ECHONET は UPnPゲートウェイが規格に入っているだけである。実装が提供されている (AllJoyn) / いない (ECHONET) という差は大きい。
    • Windows 10 の全 edition が AllJoyn に対応している、ということで、「いつの間にかルータ/コントローラ/ゲートウェイは持っていて、家電とかのコントロールされる側の機器を買ってくるだけで使える」みたいな状況を狙っているのだろう。そのへんの動きも ECHONET は遅いのでは、という感じ。
    • こうして比べてみると、やはり ECHONET は日本国内のみのガラパゴス規格として滅亡しそう。こんなものを HEMS向け標準規格として推奨してしまう経産省、、、

オープンソースをベースとしたIOTの活用方法について

内容

  • BeagleBone Black -> Fluentd -> GrowthForecast としてセンサデータを可視化するお話。

感想

  • 対象年齢高めっぽい感じだった。
  • BeagleBone は前から気になっている (とくに PRU; Linux でありながらリアルタイム処理もできる) ハードなので、ぜひ触ってみたい。

全体的な感想など

  • 今回は全体的に組み込み系の話メインで見て/聞いてまわった。
  • AllJoyn の話が聞けたのは大変よかった。ぜひ普及してほしいし、自分も AllJoyn 対応のセンサノードとか作ってみようと思う。
  • 睡眠不足もあって後半はだいぶ疲れてしまって、あまりまじめに話が聞けなかったのが反省点。Webエンジニアが知っておきたいインフラの基本(おかわり) - 馬場 俊彰とかもおもしろい & 役に立つ内容だったのだけど、結構聞き漏らしとかがありそうなのでここではまとめなかった。内容としてはおおむね以下の本の紹介だったので、こんど時間をとってちゃんと読むつもり。