OSC 2015 Tokyo/Fall 1日目に参加してきた
OSC 2015 Tokyo/Fall の1日目に参加してきたので、そのメモ。
IoTのセンサーノード側の主役に躍り出たESP8266、その実力と応用事例を徹底解説 - 今岡 通博
内容
ESP8266 の紹介
- 技適通った Wi-Fi モジュール
- 格安 (秋月でピッチ変換モジュール付きで650円)
- CPU: 80MHz (Tensilica), RAM: 64KB + 96KB
- GPIO, I2C, ADC, SPI, PWM対応
ファームウェア入れ替えれば、LuaとかでPWM出力もADCも自由に使えて、ESP8266 単体で製品が作れる
- ただし技適的にはアウト
- 海外では問題ないのに…
Wi-Fiモジュール「ESP8266」で始めるIoT DIY(1):話題の技適Wi-Fiモジュール「ESP8266」でIoTを手作りする - ITmedia MONOist
- PC とシリアルでつないで AT コマンドで利用
- 送信する改行コードが CRLF であることに注意!
- PC とシリアルでつないで AT コマンドで利用
Wi-Fiモジュール「ESP8266」で始めるIoT DIY(2):ESP8266を宅内Wi-Fiにぶら下げるATコマンド実例 - ITmedia MONOist
- シリアル経由での AT コマンドの話
- モード切り替え (station / ap), SSID などの設定
Wi-Fiモジュール「ESP8266」で始めるIoT DIY(3):ESP8266をTCPサーバとTCPクライアントにするATコマンド実例 - ITmedia MONOist
次回記事 (入稿済み): マイコンから ESP8266 を制御する話
感想
- 500円程度で合法に Wi-Fi が使えるモジュールというのは大変よい
- ファームウェアを入れ替えなければ AT コマンドで制御するということで、Arduino とかから複雑な制御をするのは面倒くさそう。Lチカ程度の簡単な制御ならとっても簡単っぽい (詳しくは「次回記事」というのを参照?)
- CPU に Tensilica のものを使っているということで、これはこれで Transmeta のコードモーフィングみたいでおもしろい。
AllJoyn フレームワークを使ったInternet of Everything (IoE) の開発 - 内田 信行
内容
AllJoyn とは
AllJoyn: IoE (Internet of Everything) 向けの、複数のデバイスやアプリが繋がるためのフレームワーク
- コアライブラリ (デバイス共通の機能)
- サービスフレームワーク (デバイスの用途ごと)
AllSeen: AllJoyn を監督する組織; Linux Foundation が設立
発想
- 既存の IoE: ベンダごと、機器ごとに個別のクラウド、個別の通信規格に fragmentation している
- AllJoyn が目指す IoE: ベンダによらず、すべての機器同士が直接通信する
AllJoyn の特徴
- セッション層以上のみを規定
- OSS のコアライブラリ、サービスフレームワークを利用できる
- 各機器はサポートする機能を表現でき、他の機器から利用できる
- 機器外部のルールエンジンから、機器同士を協調させられる (Events and Actions API)
- Headless な機器の初期設定もサポート (Onboarding サービス)
- 2種類の開発ターゲット
- ゲートウェイ (家庭内 <--> Cloud / Internet)
- デバイス・システム・ブリッジ (DSB)
対応機器
- 発売されはじめている
- e.g. TV, Windows 10 (全 edition), スピーカー、照明、…
- 家電系はまだ少ない
- 現時点での対応デバイス数: 1億2千万くらい (ほとんどが Windows 10)
使ってみよう
- いろいろな環境で動く
- いちばん簡単な開発環境
感想
- IoT 関連の規格の乱立っぷりは、まさに xkcd: Standards な感じであまり好ましく思っていない (各規格が好き or 嫌い、という話ではない)。
- 自分がある程度使ったことがある ECHONET Lite と比べ、AllJoyn は全体的に優れているように感じた。
- たとえば Events and Actions API は大変よいと思う。ECHONET はアプリケーションやサービスに関しては「勝手にやれ」的な規格になっていて、それに比べ AllJoyn はサービスについても面倒を見てくれるフレームワークになっている。
- また開発者のサポートについても、AllJoyn はコアライブラリやフレームワークが OSS として公開されており、「自分で実装するか開発キットを買え」という ECHONET よりも優っている。
- 他規格との相互接続性についても、 AllJoyn は Device System Bridge 経由で、プラグインを用意すれば任意の規格と接続できる (現状だと Z-Wave, BACnet のプラグインがある) のに対し、 ECHONET は UPnPゲートウェイが規格に入っているだけである。実装が提供されている (AllJoyn) / いない (ECHONET) という差は大きい。
- Windows 10 の全 edition が AllJoyn に対応している、ということで、「いつの間にかルータ/コントローラ/ゲートウェイは持っていて、家電とかのコントロールされる側の機器を買ってくるだけで使える」みたいな状況を狙っているのだろう。そのへんの動きも ECHONET は遅いのでは、という感じ。
- こうして比べてみると、やはり ECHONET は日本国内のみのガラパゴス規格として滅亡しそう。こんなものを HEMS向け標準規格として推奨してしまう経産省、、、
オープンソースをベースとしたIOTの活用方法について
- https://www.ospn.jp/osc2015-fall/modules/eguide/event.php?eid=42
- OSC 2015 Kansai@Kyoto の際の資料 (今回もたぶん同じ)
内容
- BeagleBone Black -> Fluentd -> GrowthForecast としてセンサデータを可視化するお話。
感想
- 対象年齢高めっぽい感じだった。
- BeagleBone は前から気になっている (とくに PRU; Linux でありながらリアルタイム処理もできる) ハードなので、ぜひ触ってみたい。
全体的な感想など
- 今回は全体的に組み込み系の話メインで見て/聞いてまわった。
- AllJoyn の話が聞けたのは大変よかった。ぜひ普及してほしいし、自分も AllJoyn 対応のセンサノードとか作ってみようと思う。
- 睡眠不足もあって後半はだいぶ疲れてしまって、あまりまじめに話が聞けなかったのが反省点。Webエンジニアが知っておきたいインフラの基本(おかわり) - 馬場 俊彰とかもおもしろい & 役に立つ内容だったのだけど、結構聞き漏らしとかがありそうなのでここではまとめなかった。内容としてはおおむね以下の本の紹介だったので、こんど時間をとってちゃんと読むつもり。
Webエンジニアが知っておきたいインフラの基本 ~インフラの設計から構成、監視、チューニングまで~
- 作者: 馬場俊彰
- 出版社/メーカー: マイナビ
- 発売日: 2014/12/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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